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建設業許可の500万円はどう計算する?税込金額・材料支給・分割契約の注意点

「500万円未満の工事なら、建設業許可はいらない」とよく言われます。ただ、何を500万円として数えるかで、結論は変わります。この記事では、税込金額、注文者が支給する材料、分割した契約の3つについて、金額の計算方法を、法令と国・大阪府・兵庫県の公式資料に沿って確認します(2026年10月16日時点の公式資料に基づきます)。

許可がいらないのは「軽微な建設工事」のみを請け負う場合

建設業法第3条第1項は、建設業を営むには許可が必要としたうえで、ただし書で「軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者」を除いています。軽微な建設工事の範囲は、建設業法施行令第1条の2が定めています。

建築一式工事以外の工事では、工事1件の請負代金の額が500万円に満たないものが軽微な建設工事です。基準は「500万円未満」なので、500万円ちょうどの工事は軽微な建設工事に当たりません。

建築一式工事は基準が違う

建築一式工事(総合的な企画・指導・調整のもとに建築物を建設する工事)では、基準が次のように異なります。

区分 軽微な建設工事に当たるもの
建築一式工事 ①請負代金が1,500万円未満の工事、又は②延べ面積150㎡未満の木造住宅を建設する工事
建築一式工事以外 請負代金が500万円未満の工事

建築一式工事の①と②は「又は」の関係で、どちらかに当たれば軽微な建設工事です。延べ面積150㎡未満の木造住宅を建設する工事は、請負代金が1,500万円以上でも②に当たります。反対に、延べ面積150㎡以上の木造住宅の工事でも、請負代金が1,500万円未満であれば①に当たります。「1,500万円以上か150㎡以上なら必ず許可が必要」というわけではありません。

「木造」と「住宅」の意味は、国土交通省のガイドラインと両府県の手引きが示しています。「木造」は主要構造部が木造であるもの、「住宅」は住宅、共同住宅、店舗等との併用住宅で、延べ面積の2分の1以上を居住の用に供するものです。なお、政令の文言は「木造住宅を建設する工事」です。改修工事などがこれに含まれるかは、確認した公式資料には書かれていません。

計算1:消費税込みの金額で判定する

政令の条文には消費税の記載がありません。一方、国土交通省、大阪府、兵庫県の資料は、いずれも請負代金の額に消費税及び地方消費税を含めるとしています。

例1:次の前提で考えます。

  • 建築一式工事以外の工事
  • 1件の契約で、注文者からの材料の支給はない
  • 税抜460万円、消費税46万円(税率10%で計算した例)、税込506万円

判定に使うのは税込の506万円です。500万円以上なので、軽微な建設工事に当たりません。税抜の460万円だけを見て「500万円未満」と判断しないよう注意が必要です。

同じ前提で、税込499万円なら500万円未満なので軽微な建設工事に当たり、税込500万円ちょうどなら当たりません。

計算2:注文者が支給する材料は、市場価格を加える

工事に使う材料を、注文者(工事を注文する側)が用意して支給することがあります。政令第1条の2第3項は、注文者が材料を提供する場合は、その「市場価格又は市場価格及び運送賃」を請負代金の額に加えて判定するとしています。

加えるのは、注文者が実際に支払った金額ではなく、その材料の市場価格です。国土交通省近畿地方整備局の手引きは、請負代金の額に材料価格が含まれない場合に加える、と説明しています。請負業者が自ら購入し、その代金が請負代金に含まれている材料については、同じ材料代を重複して加算する必要はありません。

例2:次の前提で考えます。

  • 建築一式工事以外の工事、1件の契約
  • 請負代金は税込400万円で、支給される材料の価格を含まない
  • 注文者が支給する材料の市場価格は120万円(説明のため、税込の金額と仮定した試算です)

この仮定で計算すると、400万円に120万円を加えて520万円です。この例では、注文者が支給する材料の市場価格を加えると500万円以上となるため、軽微な建設工事に当たりません。

120万円を税込とした仮定は、この試算のためのものであり、材料の市場価格を税込で見るという法令上の取扱いを示すものではありません。材料の市場価格に係る消費税の取扱いや運送賃の算入について、確認した公式資料だけでは判断できない場合は、管轄の許可行政庁に確認してください。

計算3:契約を分けても、原則は合計額で判定する

政令第1条の2第2項は、同じ業者が工事の完成を2つ以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の合計額で判定するとしています。ただし、正当な理由に基づいて契約を分割したときは、この限りではありません。

例3:次の前提で考えます。

  • 建築一式工事以外の工事
  • 同じ業者が、1つの工事の完成を2つの契約に分けて請け負う
  • 契約金額は税込300万円と税込250万円

原則として合計の550万円で判定するため、軽微な建設工事に当たりません。契約書を2つに分けたことだけで、それぞれを500万円未満の工事として扱えるわけではありません。

例外の「正当な理由」について、兵庫県の手引は「工事現場や工期が明らかに別である等」を例に挙げています。国と大阪府の資料には具体例が見当たらず、これ以外に何が正当な理由に当たるかは確認できていません。

追加工事で金額が変わるとき

追加工事や変更契約で請負代金が変わった場合の判定について、確認した公式資料に明記された基準は見当たりませんでした。追加工事や変更契約によって請負代金が500万円以上となる可能性がある場合は、契約前に管轄の許可行政庁へ確認してください。

元請でも下請でも、同じ基準で考える

大阪府の手引きは、建設工事の完成を請け負うことを営業とする場合は、「元請人はもちろん、下請人でも」許可が必要としています。軽微な建設工事の基準にも、元請・下請で金額や計算方法を分ける記載はありません。

元請が下請に出す金額で区分する「特定建設業」の基準とは、別の話です。

許可がいらなくても、登録が必要な工事がある

軽微な建設工事のみを請け負う場合でも、工事の種類によっては、ほかの法律による登録が必要になることがあります。兵庫県のQ&Aは、次の3つを挙げています。

  • 解体工事業:解体工事業登録(建設リサイクル法)
  • 浄化槽工事業:浄化槽工事業登録(浄化槽法)
  • 電気工事業:登録電気工事業者の登録(電気工事業の業務の適正化に関する法律)

また、建設業許可を取得している場合でも、別途届出などが必要となる制度があります。それぞれの要件や手続きは、各制度の窓口や手引きで確認してください。

500万円の計算で迷っている方へ

500万円前後の工事では、見積りや契約の段階で、税込の金額、注文者が支給する材料の有無、契約の分け方を確認しておくと、判断を誤りにくくなります。

計算の結果500万円以上になる場合や、今後500万円以上の工事を受ける見込みがある場合は、許可の取得を検討する時期かもしれません。許可を取らずに工事を続けるリスクは「建設業許可を取らないリスク」で、許可取得までの流れは「建設業許可の流れと期間」で紹介しています。

おおぞの行政書士事務所では、大阪府・兵庫県の建設業許可について、工事の金額や契約の内容から許可が必要かどうかの確認や、許可取得のご相談を承っています。

一人親方や小規模建設業者の方も、お気軽にご相談ください。

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