建設業許可・経審・入札では、反社会的勢力排除（暴排）の体制整備が必須です。
本稿では、誓約書の取り方→社内運用→協力会社管理→提出パッケージまでを一気通貫で整理し、差戻しや名簿登録の足止めを回避する実務をまとめます。

H2: なぜ“暴排”が差戻しの起点になるのか

申請・入札・契約で誓約書の提出やチェック運用が求められる場面が増加。

代表者交代・役員追加・商号変更のタイミングで誓約の取り直しが必要。

協力会社・一人親方を含めた取引先管理が未整備だと、入札での評価や登録が止まることがあります。

H2: まず整える社内“1枚運用”（Do）

**暴排運用ルール（A4一枚）**を作成

対象範囲：役員・従業員・協力会社（一次・二次）・一人親方

確認タイミング：採用時／取引開始時／年次更新／契約変更時

問題判明時の対応：契約解除条項／通報フロー／証跡保存

誓約書の原本保管と台帳化（取得日・対象者・更新期日）

H2: 代表者・役員の誓約“取り直し”手順（Do）

登記完了日を起点に、新役員全員分の誓約書を準備。

氏名・役職・住所は登記表記と完全一致に統一。

日付整合（登記→誓約→提出の順）を年表で管理。

過去分の誓約も新体制で再取得して一冊に再製本。

H2: 協力会社・一人親方の確認と更新（Do）

取引開始時：誓約書＋商号・代表・所在地の確認資料（登記や請求書）を取得。

年1回の更新：確認票で状況を再チェック（代表交代・所在地変更の有無）。

現場入場時：名簿と合わせて誓約取得済みをチェック。未提出は仮入場不可のルール化。

一人親方：請負契約の成果責任と合わせて、誓約書・本人確認・連絡先を記録。

H2: 契約書・発注書に入れるべき条項（テンプレ）

暴排条項（例）

甲および乙は、自己または役員等が暴力団等に該当しないこと、ならびに将来にわたり関与しないことを確約する。前項に違反した場合、甲または乙は何らの催告を要せず本契約を解除できる。解除に伴う損害は違反当事者の負担とする。

協力会社への適用：再下請にも同等条項の付帯を義務づける。

H2: 入札・名簿登録での“見せ方”（Know/Do）

提出パッケージ（1ファイル化）

①暴排運用ルール（A4一枚）

②代表・役員の最新誓約書（登記整合）

③協力会社の誓約取得率（％）と年次更新記録

④契約書の暴排条項抜粋（様式）

定量化：取得率・更新率・未提出ゼロ月数などの数字を添えると評価が安定します。

H2: よくある差戻しと回避策（Know/Do）

旧役員の誓約のまま提出

回避：登記変更後に全役員再取得。登記→誓約→提出の時系列を明記。

協力会社の更新抜け

回避：年次更新月を統一し、入札前に一括更新。未提出者は発注停止を徹底。

誓約書の書式バラつき

回避：統一書式（個人用／法人用）の2種に固定。電子署名でも氏名・日付・社名が判別できる形に。

保管が分散

回避：「暴排」フォルダ直下に役員／協力会社／一人親方でサブフォルダを分け、通し番号で管理。

H2: フォルダ構成（コピペ可）

01_運用ルール：暴排運用1枚・社内通達

02_役員誓約：代表・役員（登記整合）

03_協力会社：誓約＋確認票／更新記録／未提出対応

04_契約条項：基本契約・個別契約の暴排条項

05_記録：入札用の取得率レポート・改善計画

99_差替え一覧：版管理（いつ・どれを・なぜ差替え）

H2: 提出前チェックリスト（現場で使える版）

登記変更後の役員誓約が全員分そろっている

協力会社の誓約取得率が基準（100％推奨）を満たす

年次更新の証跡（更新日・担当・方法）が残っている

契約書・注文書に暴排条項が入っている

電子署名の体裁（氏名・日付・社名）が判読可能

入札提出用に運用ルール1枚＋取得率をまとめた

H2: FAQ（短答）

Q. 電子署名の誓約で問題ありませんか。
A. 受領側の運用によります。氏名・日付・社名の判読と改ざん防止が担保できる形であれば通る余地が高いです。

Q. 二次下請の誓約まで必要ですか。
A. 元請・発注者の方針次第ですが、再下請にも同等条項を及ぼす規定と取得運用を整えるのが安全です。

Q. 更新のタイミングを逃しがちです。
A. 年次一括更新月を固定し、入札前の“ゼロ未提出”確認をルーチン化してください。

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