- 所長コラム
工事経歴書の“同種性”を伝える書き方|入札で刺さる記載・数量化・写真のそろえ方
建設業許可や入札で効くのは、**工事経歴書の“伝わり方”**です。
「何をやった会社か」を審査側が数分で把握できるように、**同種性(ターゲット業種との近さ)**を数字と言葉で示すのがコツです。本稿では、記載テンプレ→数量化→証跡の束ね方まで、差戻しを避ける実務を整理します。
H2: まず押さえる“同種性”の考え方
同種性=狙う業種の中核作業が含まれているか(例:電気なら幹線・分岐・受変電、管なら配管・機器据付・試運転 など)。
元請/下請の別、工種の内訳、施工規模(金額・数量・機器点数)を短文+数字で示すと伝わります。
写真3点(前・中・後)と出来形・検査で“やった証拠”を一本線にします。
H2: 記載テンプレ(そのままコピペ可)
工事件名:施設名+具体(例:○○庁舎 受変電設備更新)
工事場所:市区町村まで
発注者/元請・下請:______
工期:20YY年MM月〜20YY年MM月(月単位)
工事概要(同種性を数字で):
例)幹線CVT 250sq×180m、分岐盤×5面、キュービクル1000kVA更新、短絡・絶縁試験合格
施工体制:自社施工○%/下請○%(主要下請の工種)
安全・品質:TBM実施、完成検査合格(検査日:20YY/MM/DD)
写真:前・中・後(銘板・数量が読める距離)
ポイント:**“名詞+数量”**を最低3点入れると、一瞬で同種性が伝わります。
H2: 抽象語を“数量化”するコツ
「配管更新」→ VP管400m/保温100㎡/吊り金物250本
「空調機更新」→ AHU×3台(各20,000m³/h)/冷媒配管120m/真空引き−101kPa 30分保持
「舗装補修」→ 切削1000㎡/再生密粒13 800㎡ 50mm/区画線600m
H2: 写真と図面の“見せ方”ルール
前・中・後で同じアングルを意識。銘板・スケール・仕様が読める距離を1枚は入れる。
**出来形図面(マーキング)**で数量と同じ箇所が分かるようにする。
検査記録(合格日)と写真の日付整合をとる。
H2: 元請/下請の“役割”をはっきり書く
元請:工程・品質・安全の統括、**下請管理(発注→出来高→検査→支払)**の記録を明記。
下請:中核作業の担当範囲と数量を数字で。**元請証明(注文書・出来高)**で一本線に。
H2: 経歴書の並べ方(入札で刺さる順序)
狙う業種の同種性が最も高い工事
同規模帯の工事(予定価格に近い)
直近年度の工事(写真・検査が鮮明)
“古いが大型”より“直近かつ同種性が高い”を上位にすると落札確度が上がります。
H2: 提出パッケージ(フォルダ構成のおすすめ)
01_経歴書PDF:通し番号・目次付き
02_契約系:契約/注文・請書/下請契約
03_出来高・検査:出来高計算書/検査記録/成績書
04_写真:前→中→後(銘板・仕様が読める近接含む)
05_図面:出来形マーキング/数量根拠
06_補足:表記統一チェック/差替え一覧
H2: よくある差戻しと回避策
工事件名が抽象的
回避:**施設名+機器名(数量)**を入れる(例:受変電1000kVA更新)。
税込/税抜が混在
回避:集計基準を冒頭に注記し、経審の基準と一致させる。
写真が“遠景だけ”で数量が伝わらない
回避:銘板・メーター・スケールが読める近接を1枚必須化。
元請/下請の線が曖昧
回避:契約→出来高→検査を一本線にし、担当範囲を短文で記す。
表記ゆれ(商号・住所・役職)
回避:登記表記をマスターに全半角・ハイフンまで統一。
H2: チェックリスト(そのまま使えます)
工事件名に施設名+機器・数量が入っている
同種性の中核作業×3点を数字で記載
元請/下請の別と担当範囲が明確
前・中・後写真に銘板・仕様・スケールの近接が1枚以上
出来形・検査・写真の日付整合がとれている
税込/税抜の集計基準を注記している
PDFは300dpi・両面一体・パスなし、通し番号・目次あり
H2: FAQ
Q. 実績が小規模ばかりですが掲載価値はありますか。
A. あります。同種性の高さと数量の明確さで十分評価されます。規模は将来の案件で積み上げましょう。
Q. 写真が少ない現場はどう補強しますか。
A. 出来形図面・検査記録・数量内訳で補い、可能なら機器の銘板写真だけでも確保してください。
Q. 何件載せるのが最適ですか。
A. 入札先の指定がなければ、同種性の高い直近5〜10件を推奨します。
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