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業種追加の戦略と失敗しない時期の見極め|入札拡大のための実務ガイド

公共工事の受注幅を広げるには、計画的な業種追加が有効です。ただし、専任体制の空洞化や書類不備があると、既存許可にも影響します。本記事では、いつ・どの業種を・どの順番で追加すべきかを、入札戦略・人員体制・経審の観点から整理します。

H2: 業種追加の判断軸(Know)

需要×強みの交点を見極めます。

自治体の発注動向(例:電気・管・舗装・解体など)

自社の保有資格・実績・協力会社の有無

利益率と施工リスクのバランスを検討します。

経審(P点)への波及:技術職員数・社会性・財務にどう影響するかを事前試算します。

H2: 追加タイミングの見極め(Do)

入札カレンダーから逆算します。

追加許可の取得→経審→入札資格申請の順で、3~6か月のバッファを見込みます。

**人員が揃ったときが“買い時”**です。

専任技術者の資格・実務年数が整った時点で申請準備に着手します。

繁忙期直前は避けるのが無難です。

補正が発生すると既存案件に支障が出やすいため、閑散期~肩シーズン前を狙います。

H2: 体制設計と専任技術者の確保(Do)

空洞化防止が最優先です。

既存営業所の専任者を移す場合は、同日付で代替配置できる人員を確保します。

資格ルート優先で通しやすくします。

実務経験ルートは証憑回収の負荷が大きいため、資格保有者の補強が近道です。

常勤性3点セット(社保・給与・就業場所)を同一期間で揃えます。

H2: 経審と財務への影響整理(Know/Do)

**技術職員(資格者)**の増強は加点に寄与します。

**社会性(保険加入・法令順守)**の整えは引き続き必須です。

財務負担(設備投資・人件費)を見込み、自己資本と運転資金の余力を確認します。

H2: 申請の進め方とスケジュール(Do)

業種選定会議(入札実績・協力会社・資格者の棚卸)

証憑収集(資格者証/実務資料、営業所実体、社保・給与)

申請書ドラフト(表記統一・業種整合の明示)

提出(電子/窓口):予約・原本提示・手数料の確認

補正即応:担当・代替者・再提出ルートを事前に共有

目安:準備2~6週間、審査1~2か月(自治体差あり)

H2: ケース別シナリオ(実務)
H3: 電気工事を主力に「管工事」を追加したい

資格:管工事施工管理技士2級以上を軸に配置計画。

同種性:空調・衛生設備の実績を仕様・数量で明確化。

連鎖対策:電気側の専任者が空洞化しないよう、二人体制を検討します。

H3: 解体工事を追加したい(元請比率UP狙い)

安全関連の体制(産廃・石綿含有の取扱)を先に整備。

協力会社管理の規程類(選定基準・再教育)を提示できると通りやすいです。

H3: 法人成り直後の業種拡張

個人期の実績は同一性説明で橋渡しします。

当面は資格ルートで一つずつ積み上げ、翌期に経審強化が堅実です。

H2: よくある失敗と回避策(Know/Do)

既存拠点の専任が不在になる

回避:辞令日=変更届日付を合わせ、代替配置証憑を同封します。

実務経験の同種性が弱い

回避:工事台帳から仕様・数量・工程を引用し、対象業種との関係を注記します。

表記ゆれ・書類の鮮明度不足

回避:登記表記で統一、300dpi、裏面あり書類は両面一体のPDFにします。

財務負担の読み違い

回避:人件費・設備・教育費の年間コスト表を作成し、資金繰りと併せて確認します。

H2: 提出前チェックリスト(コピペ可)

追加業種の需要・利益・リスク評価が完了

専任技術者:資格/実務の業種整合、常勤性3点(社保・給与・就業場所)

既存拠点の空洞化対策(代替配置の辞令・社保手続)

証憑一式:資格者証(両面)/実務資料、営業所実体、登記事項

表記統一:商号・住所・代表者名・日付・単位

財務影響:人件費・投資の資金計画、自己資本の余力

方式:電子/窓口の選択、予約・原本提示・手数料の確認

補正体制:担当・代替者・再提出手順の共有

H2: FAQ(よくあるご質問)

Q. まず追加すべき業種の選び方はありますか。
A. 自治体の発注量が多い工種×自社の強み・資格保有×協力会社の質の交点を優先します。

Q. 実務経験ルートしかない場合は?
A. 月単位のタイムライン表+契約・請求・写真・検査記録で同種性と連続性を丁寧に立証します。

Q. 追加後にすぐ経審を受けるべきですか。
A. 資格者の加点や社会性の整えが反映されるタイミングを見計らい、決算前後の最適期を選びます。