- 所長コラム
建設業許可を取らないリスク|行政書士が実務で見た現実
建設業許可を取らないリスクとは何か。無許可営業の罰則、元請との契約トラブル、信用低下など、実務で起こり得る問題を行政書士が解説します。
「うちは500万円以上の工事はやっていないから大丈夫」
「今のところ元請から言われていない」
そう考えて、建設業許可を取らずに事業を続けている会社は少なくありません。
しかし実務では、
“今は大丈夫”が、突然“もう遅い”に変わる瞬間があります。
この記事では、建設業許可を取らないリスクについて、制度面と経営面の両方から解説します。
リスク① 無許可営業による処分・罰則
建設業法では、許可が必要な工事を無許可で請け負った場合、罰則の対象となります。
6か月以下の懲役または100万円以下の罰金
営業停止処分
指名停止
「知らなかった」では済まないのが法律です。
特に最近は、
元請からの通報
入札参加時の発覚
金融機関の確認
などで無許可営業が明るみに出るケースもあります。
リスク② 元請との契約トラブル
元請が許可業者であることを前提に契約していた場合、
契約解除
支払い拒否
今後の取引停止
といった事態に発展することもあります。
建設業界では、「信用」が最重要です。
一度無許可が発覚すると、業界内での評判にも影響します。
リスク③ 受注機会を失う
建設業許可を持っていないことで、
500万円以上の工事が受注できない
元請案件に入れない
公共工事に参加できない
といった制限が生じます。
結果として、
「本来取れたはずの売上」を逃している可能性があります。
リスク④ 融資や信用面で不利になる
金融機関は、建設業許可の有無を確認します。
許可がある会社は、
法令を守っている
一定の要件を満たしている
という評価につながります。
逆に許可がない場合、
事業の安定性に疑問を持たれる
融資条件が厳しくなる
可能性があります。
リスク⑤ 将来の選択肢が狭まる
建設業許可は、
技術者要件
財産要件
経営経験
など、過去の積み重ねが必要です。
「いずれ取ろう」と思っていても、
技術者が退職する
実務経験を証明できない
決算が悪化する
といった理由で、将来取得が難しくなることもあります。
実務の本音:許可を取らないこと自体がリスク
行政書士として感じるのは、
「取らないリスク」を正確に理解していない会社が多いということです。
建設業許可は、
法令順守のため
信用確保のため
将来の拡大のため
の土台です。
取るかどうかは経営判断ですが、
リスクを理解した上での判断が重要です。
今は不要でも、将来必要になるケースが多い
現時点で500万円未満の工事しか請けていなくても、
元請から大型案件の打診
事業拡大
法人化
入札参加
といったタイミングで急に必要になるケースは少なくありません。
その時点で準備を始めると、間に合わない場合もあります。
許可の必要性は会社ごとに違う
建設業許可が必要かどうかは、
工事内容
請負形態
将来計画
技術者体制
によって異なります。
単純に「今はいらない」と判断せず、状況を整理したうえで検討することが重要です。
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